有機溶媒対応型DOメーター B-506S

●2019年6月1日より、本体型式がB-506からB-506Sに変更になりました。これに伴い「投込型」「流通型」の販売は終了いたしました。詳細は B-506型式変更のお知らせ(PDF)をご参照ください。
●PEEK樹脂を使用した耐溶媒センサーで、各種有機溶媒(溶剤)のDO測定が可能。濃硫酸以外の薬品にはほぼ対応できます。
●有機溶媒の測定は、空気との接触を避けられる「有機溶媒用DO測定装置(MA-300G-SL)」(別売)により正確な測定が可能です。

FAQ一覧

測定について

型式「B-506」と「B-506S」では、どう違うのですか?

B-506/B-506S

2019年6月の出荷分より、本体の型式がB-506からB-506Sに変更になりました。本体ケースや外観、パネルデザインが変更されましたが、価格や測定性能に変更はありません。
仕様の変更点として、B-506での「投込型」「流通型」での仕様は、B-506Sではプローブの接続ができないため、販売中止とさせていただいています。B-506Sでは、「採集型」のみの測定方法となりますのでご了承ください。

詳細は、 B-506型式変更のお知らせ(PDF)をご参照ください。

有機溶媒の測定は絶対値ではなく「飽和率での測定」とありますが、その理由と測定方法を教えてください。

有機溶媒の場合は、絶対値(mg/L)での測定はできません。
理由:水の場合は飽和溶存酸素量が分かっており、飽和表の数値がDO計にプログラミングされていますので、そのときの水温の飽和溶存酸素の値でスパン校正をして測定できます。(例:20℃の場合8.84mg/L)
しかし有機溶媒の場合は、飽和溶存酸素の値が分かっていませんので、水のように基準となる飽和値(mg/L)でスパン校正を取ることができないため、絶対値(mg/L)での測定ができません。そのため有機溶媒の場合、飽和率(%)での測定となります。

方法:水の飽和水を作製し(500mLの水で10~20分エアレーション)、その飽和水をB-506Sの飽和率モードで測定し、その時の値を飽和率100%として校正を取ります。
次に測定したい溶媒を同じ飽和率モードで測定し、先ほどの飽和率100%に対する比(飽和率:%)で読み取ります。
あくまでも、水で校正をとっているため参考値となります。

参考:有機溶媒の飽和水作製について
有機溶媒の飽和水の作製方法は決められたものがありません。各溶媒についてどのくらいエアレーションすれば飽和状態になるか不明で、また、その確認方法がないためです。
仮に測定する有機溶媒の飽和溶液を作製することができたのなら、その飽和溶液で校正を取り、それとの比較で飽和率(%)で測定することができます。

固体を液体にした溶媒のDO測定は可能ですか?また、液体にすることでDO値に何らかの影響が出ますか?

温度を変化させずに固体を溶媒で溶かす場合は特に問題ありません。しかし、発熱を伴う反応の場合は、溶液の温度上昇によって酸素の飽和値が下がります。これにより液化した固体中の酸素がガスとして放出し低めに指示される可能性があります。

プリンターに自動で定期的に印字されるように設定できますか?

プリンターへの印字は、その都度「PRINT」キーを押していただく必要があります。B-506Sにはインターバル機能がないため、手動で印字するタイミングを測る必要があります。
直接、プリンターに印字できませんが、オプションの通信ソフト(型式:B-PG)を使うことでパソコンに一定間隔でデータを記録することができます。

DO測定範囲の0mg/Lと20mg/Lを超えると表示はそれぞれどうなりますか?

-0.4mg/L以下となった場合、表示が-0.4mg/Lで点滅表示します。
上の境界値である20.0mg/Lを超えると、20.0mg/Lで点滅表示します。

0の境界値付近に関しては、ゼロ校正の際に分かりやすくするため、0を下回ってもマイナス表示をするようになっています。

パソコン通信で監視できるようにしたいのですが、何秒ごとの数値が記録可能ですか?また、1ヶ月くらい連続測定をした場合、データ容量はどれくらいですか?

間隔は、1秒~999秒で設定が可能です。
データ容量は、数KB~1MB/日程度になります。通常のパソコンであれば数十GB~数百GBはあると思いますので、1ヶ月程度の連続測定であれば問題ありません。

パックマスター(RO-103S)のDO測定機能を使って、ワグニット(WA-BRP)を付けて有機溶媒の測定が可能ですか?その場合、B-506Sと同じ数値が出ますか?

パックマスター(RO-103S)で、B-506Sと同様の測定は可能です。
測定槽が必要な場合は、ワグニット(WA-BRP)用に、有機溶媒用DO測定装置(MA-300G)が必要になります。

ワグニット(WA-BRP)は、酸性ガスに対応可能ですか?

酸性ガスの例として、CO2の測定などを行うと、一時的に、出力が不安定になったり、元の値まで戻らないなどの症状が発生する可能性があります。ただし、酸性ガスの種類や濃度によって影響は変わります。

5気圧の加圧状態の中でDO測定はできますか?

5気圧だと難しいです。測定は、上限0.2気圧(水深2m)をめやすと考えてください。

従来モデルB-505と、現行モデルB-506(投込型)の2台を持っており、投込型プローブを入れ替えたら水温の表示がずれてしまいました。

プローブを変えると、温度センサーのロットの違いにより、温度のずれが生じます。温度を合わせるには、本体一式を弊社に送っていただき、温度調整(有償)が必要になります。

※投込型(および流通型)仕様は、2019年5月31日をもちまして販売を終了いたしました。後継品の「型式:B-506S」では、投込型および流通型での仕様は販売しておりません。

校正について

飽和水校正は、水で行うのですか、または実際に測定するサンプルで行うのですか?

有機溶媒の測定の場合、実際に測定するサンプルでの校正を推奨しています。
有機溶媒の測定は、DO値ではなく飽和率での測定となります。実際の空気飽和水溶液を「飽和率100%」として機器を校正します。実際に測定するサンプルでの校正が難しい場合は、水を使用しての空気飽和水で実施することも可能です。ただその場合、空気飽和率100%のときが空気飽和値とは限りません。

有機溶媒の飽和水校正で、有機溶媒を曝気する際、溶媒により飽和に達する時間は異なりますが、曝気時間はどのように設定すればよいですか?

溶媒の種類、サンプル量、ポンプ流量、気泡の大きさ、気泡の量、液温などで時間が変わってしまいますので、曝気時間は各溶媒によって異なります。
調べる方法としては、曝気をして定期的に飽和値を確認して安定した指示値が出た時間が曝気時間になります。

具体的手順は以下です。
①ビーカー等に入れたサンプルをエアレーションします。
 (エアーポンプ等を使用して大気を常に送り込む状態を作ります。)
②DOを10分ごと、定期的に測定します。
③指示値が安定した状態になったときが飽和値に達していると判断します。(判断のめやす)
 そこまでの時間が曝気に必要な時間となります。
※温度変化のないように注意してください。
※溶媒により、エアレーションが難しい場合は水で校正を実施してください。
(揮発性が強い、エアレーションする道具が材質的に使用できない、等)

ゼロ校正をしていますが、値が下がりません。

何日も前に作製したゼロ標準液を使用している場合は、正しく校正ができません。ゼロ標準液は、校正の都度、作製してください。

また、弊社では、0.01mg/Lの分解能で測定する場合は、旧JIS K0102(1993)に従い、亜硫酸ナトリウム25gを500mLの水に溶かして5%の濃度になるように作製して使用することを推奨しています。

ゼロ校正は、有機溶媒に窒素を送り込んで行う方法でも良いですか?

弊社では、ゼロ校正は亜硫酸ナトリウムを水に溶かしたものでの校正を推奨しています。
窒素を送り込んだ有機溶媒でゼロ校正をした場合の校正値や実際にどれくらいの時間で有機溶媒の酸素濃度が0%になるのかは検証できないため、保証できません。

保守・メンテナンスについて

ワグニット(WA-BRP)はどの部分を交換するのですか?

ワグニット(WA-BRP)の交換部分は、コネクター、ケーブル含む電極一式です。
「END」が表示されるのは、ワグニットの寿命ですので、隔膜・電解液を交換しても改善しない場合は、ワグニットを新品と交換してください。
ワグニットの寿命はめやすとして半年~1年です。

エラーメッセージについて

「c.Err」が表示される。(スパン校正時)

ワグニットの出力が不安定、または、温度変化が激しい場合に表示します。
下記についてご確認いただき、それぞれ処置を行ってください。

(1) 測定環境の温度に急激な変化がある。(保管場所と測定場所の温度差、空調による温度変化等)
空調などの影響を受けない温度変化の少ない場所でスパン校正を行ってください。または、温度の安定を待ってから、再度スパン校正を行ってください。

(2) 流速の与え方が適切でない。
ワグニットに与える流速が一定になるようにしてください。

(3) ワグニットの先端部に気泡がついている。
ワグニット先端部に気泡がつかないように注意しながら水に入れてください。

(4) ワグニットの表面が汚れている。
ワグニット(WA-BRP/WA-BRM5)の場合は、膜液交換を行い、再度スパン校正をしてください。
B-506+ワグニット(WA-L)をご使用の場合は、隔膜を傷つけないよう注意しながら表面を綿棒などで力を加えないように汚れを拭き取り、再度スパン校正をしてください。

(5) ワグニットの先端の隔膜を上向きにした状態で校正を行っている。
ワグニットの先端を下向き、または横向きにしてスパン校正を行ってください。

上記の処置をしても改善されない場合は、ワグニットの劣化や破損が考えられます。
静止状態で30分以上放置し、指示が安定するのを待って、再度スパン校正をしてください。それでも発生する場合は、ワグニットを新品と交換してください。交換の際は、ゼロ校正を行ってください。

「chn」が表示される。(スパン校正時)

ワグニットの出力が基準の60%以下になった場合に表示します。(交換準備のお知らせ)
下記についてご確認いただき、それぞれ処置を行ってください。

(1) ワグニットの表面が汚れている。
ワグニット(WA-BRP/WA-BRM5)の場合は、膜液交換を行い、再度スパン校正をしてください。
B-506+ワグニット(WA-L)をご使用の場合は、隔膜を傷つけないよう注意しながら表面を綿棒などで力を加えないように汚れを拭き取り、再度スパン校正をしてください。

(2) ワグニットの先端の隔膜を上向きにした状態で校正を行っている。
ワグニットの先端を下向き、または横向きにしてスパン校正を行ってください。

「End」が表示される。(スパン校正時)

ワグニットの出力が基準の50%以下になった場合に表示します。(寿命のお知らせ)
下記についてご確認いただき、それぞれ処置を行ってください。

(1) ワグニットの表面が汚れている。
ワグニット(WA-BRP/WA-BRM5)の場合は、膜液交換を行い、再度スパン校正をしてください。
B-506+ワグニット(WA-L)をご使用の場合は、隔膜を傷つけないよう注意しながら表面を綿棒などで力を加えないように汚れを拭き取り、再度スパン校正をしてください。

(2) ワグニットの先端の隔膜を上向きにした状態で校正を行っている。
ワグニットの先端を下向き、または横向きにしてスパン校正を行ってください。

上記の処置を行い、何回校正しても発生する場合は、ワグニットの寿命です。ワグニットを新品と交換してください。交換の際は、ゼロ校正を行ってください。

「End」が表示され、膜液交換しても改善されません。(スパン校正時)

「END」表示が改善されない場合、ワグニット(WA-BRP)のボディの接続部をご確認ください。接続部のねじ込みが緩んでいて電極のインナーセル先端部がアウターセルより引っ込んでいる場合は、出力が出ず「END」を表示してしまいます。その場合は、接続部を再度ねじ込んで隙間なく密着させてから、膜液交換をしてください。
また、ワグニットの取扱上の注意点として、アウターセル部分(画像参照)は回さないようにしてください。

「High」が表示される。(スパン校正時)

ワグニットの出力が高すぎる(130%以上)の場合に表示します。

測定環境の温度に急激な変化がある(保管場所と測定場所の温度差、空調による温度変化等)場合は、空調などの影響を受けない温度変化の少ない場所で、使用温度範囲内で十分に温度を安定させてから、再度スパン校正を行ってください。

「Err.1」が表示される。

通信不良のときに表示します。
パソコンやプリンターの電源がONになっているこを確認してください。

「Err.2」が表示される。

通信不良のときに表示します。
通信ソフトを使用している場合で、取扱説明書の「8.シリアル通信 (2).コンピューターとの接続」を参照し、通信設定が間違っていれば訂正してください。
(ボーレート:9600bps、データ長:8bit、ストップビット:1bit、パリティ:None)

「Err.6」が表示される。

温度設定不良のときに表示します。
表示温度と設定温度の差が±10℃以上離れていないことを確認してください。
2点調整時、1点目と2点目の温度差が10℃未満の場合、1点目と2点目の温度差を10℃以上離してください。

「Err.8」が表示される。

本体内蔵の時計IC用バックアップ電池の寿命ですので、弊社まで修理依頼してください。

「Err.9」が表示される。

本体内蔵のROM(EEP-ROM)が記憶不良故障ですので、弊社まで修理依頼してください。

「FULL」が表示される。

メモリー機能設定「OFF」の場合、メモリー記憶データが295件を超えると、測定記憶時「FULL」と測定値が5秒間交互に表示されます。
取扱説明書の「7. メモリー機能」を参照し、メモリー機能設定を「ON」にするか、メモリーデータを消去してください。

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